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cdpn.jp/プラーヌンクスツェレとは
プラーヌンクスツェレ(Planungszelle:計画細胞)は、ペーター・C・ディーネル(Peter C. Dienel)ドイツ・ヴパタール大学名誉教授により1970年代に考案された市民参加の手法である。
ドイツでは、1990年のドイツ統一後、地方公共団体において住民投票制度が導入されていったことに伴い、直接民主主義に対する認識が高まった。このような潮流の中で、市民参加の手法の1つとしてプラーヌンクスツェレが注目された。現在では、スペインやオランダなどでも取り組みがなされている。
プラーヌンクスツェレは、行政機関がプラーヌンクスツェレで検討する内容を示して、大学等の公平・中立的な実施機関に委託して行う。受託者である実施機関において、プログラムを作成し、プラーヌンクスツェレを実施する。参加者は、地域から無作為に選ばれた市民から募り、実施プログラムに沿って少人数で話し合いを行う。そこで出された意見を集約して広報を行うとともに、行政機関に提言し、市民の声をまちづくりに反映させる手法である。なお、参加者には、仕事として取り組んでもらうため、報酬を支払う。
この手法の最大の特徴は、今までの公募による市民会議と異なり、基本的に18歳以上(最近では16歳以上の場合もある)の市民から「無作為抽出」により参加者を募ることである。このため、参加者は、限られた特定の人の集団や専門家ではなく、ほとんどの場合、テーマに関し直接の当事者ではない一般の市民である。また、男女比率、年齢や職業などの構成が、その地域の構成と同様の傾向を示すことになり、その意味において、参加者はその地域の代表者であるといえる。
プラーヌンクスツェレにおいては、話し合いの数は4日間で16コマとし、参加者はコマごとに設定される個々のテーマに沿って、公平・中立な立場、または賛成、反対両方の立場による専門家等からの情報提供を受け、その後1グループ5人(通常5グループ25人で行う)で、参加者だけで話し合いを行う(情報提供を含め1コマ90分)とされる。話し合いは、特定の参加者の意見だけが反映されることのないよう、コマごとにメンバーを入れ替えて行う。
このような少人数による話し合いを、コマごとにメンバーを入れ替えながら行うことで、他の参加者の意見を十分聞き、お互いの体験や視点を尊重しながら、合意形成を行うことが可能になる。
このようにして得られたグループの意見に対して、全員で投票を行うが、話し合いと投票を経て得られた結論は、利権誘導や専門家の意見に偏った形にはならないものとなる。
他の市民参加の手法に比べてコストがかかる点と開催の準備や最終報告に時間がかかる点に問題があるものの、サイレント・マジョリティーと呼ばれる一般の市民の声なき声を抽出できる方法として、きわめて有効であると評価できる。また、プラーヌンクスツェレの参加者が、開催後に地域社会に対する参画意識が非常に高まる点も評価できる。

プラーヌンクスツェレの特徴
1. 話し合いへの参加者を無作為抽出で選ぶ。
2. 参加者に謝礼を支払う。
3. 1グループ5人(通常5グループ25人で行う)に分けて参加者だけで話し合いを行い、全体で投票を行う。
(1日4コマ、4日間で16コマ)
4. 各話し合いの前に現状や課題などの情報提供を行う。
5. まとまった結果を市民答申として公表する。
 
 最近、「熟議」や「討議デモクラシー」、「討議民主主義」といった言葉が使われる事があるが、本手法はヨーロッパにおけるその代表的なものの一つといえる。
「市民の政治学」(篠原一:岩波新書)にて紹介され、日本でも広く知られるようになった。

 

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